今日は、下痢・軟便についてです。
【急性の下痢】
冷たい飲食物の摂り過ぎ、暴飲暴食、飲酒、細菌・ウイルス感染などが原因で起こります。
腹痛、お腹の張り、吐き気などを伴います。
治療には、「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」や「五苓散(ごれいさん)」などが使われます。
【慢性・反復性の下痢】
こちらは、急性の下痢の様な明らかな原因がないのに、慢性的に反復する下痢です。
<慢性疲労タイプ(脾気虚)>
泥状~水様の便が一日に数回あり、食後に排便する傾向があります。
慢性疲労、空腹感がない、味がしないなどの症状を伴う事もあります。
治療には、「六君子湯(りっくんしとう)」「参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)」などが使われます。
<冷えタイプ(脾陽虚)>
慢性疲労タイプが進行した状態です。
慢性疲労タイプの症状に加え、腹痛、冷え(腹・手足)などの症状を伴います。
治療には、「人参湯(にんじんとう)」「附子理中湯(ぶしりちゅうとう)」などが使われます。
私は、附子理中湯をよく使います。
<ストレスタイプ(肝気横逆)>
精神的ストレス、緊張、不安などにより、胃腸機能が失調するタイプです。
腹痛、お腹の張り、イライラなどの症状を伴います。
治療には、「逍遙散(しょうようさん)」「四逆散(しぎゃくさん)」などが使われます。
腸内環境は、身体全体に影響するので、とても大切です。
一般的に、女性は便秘タイプが多く、男性は下痢タイプが多いように思います。
ストレスをためないように、お腹を冷やさないように生活するのが大事ですね。
薬剤師 西田稔生