胃の中でも生存できる乳酸菌が発見された
胃の中でも生育可能な乳酸菌LJ88
これまで穏やかな環境の腸にしか居ないと思われていた乳酸菌ですが、実は胃の中にも存在する事が分かりました。
胃の中はご存知の通り強酸性ですので、到底乳酸菌が生育できる環境ではないはずです。
しかし、LJ88という乳酸菌は酸に強く、強酸性の胃の中でも生存することができる珍しい存在なのです。
どうやって強酸性の胃の中で生きている?
この乳酸菌LJ88は、宿主の胃酸分泌量を減らす事で、自らが住みやすい環境を作っています。
具体的には、胃酸分泌を促進するガストリンというホルモンを分泌する細胞数を減らす事で、胃酸分泌量をコントロールしているのです。
なかなかのしたたかさですね。
LJ88の活用方法は?
逆流性食道炎などでお悩みの方に
胸やけやムカツキがあったり、胃酸が口まで上がってきたり。
胃酸過多や逆流性食道炎、胃潰瘍などでお悩みの方はとても多いと思います。
そして、これらの病で悩みの方がこの乳酸菌を摂取する事で、胃酸の分泌量が減り、症状が改善される可能性があります。
LJ88菌は腸でも普通に生育できますので、本来の乳酸菌としての整腸作用も一緒に期待できます。
体臭や便臭軽減にも!
腸内環境が改善される事により、便臭や体臭が軽減されます。
例えば、介護職員さんの精神的な負担を軽減する為に、老人ホームなどの介護施設でも使われているそうです。
まとめ
ちなみに、酵母菌などは殻を作って、胃の中でも生育できますね。
しかし、殻の無い乳酸菌が強酸性の胃の中で生育できるとは、本当に珍しいと思います。
それも、胃酸を弱めながら生き抜くとは。
どうやって、そんな能力を獲得したのでしょう。
生命とは、不思議なものですね。
薬剤師 西田稔生