肩こり・頭痛・顎関節症とTCH

肩を押さえる男性

今日のテーマは「肩こり・頭痛・顎関節症」です。

「肩こり・頭痛」は、おそらくほとんどの人が一度は経験したことがあると思います。

もはや国民病ですね。

 

さて、このやっかいな「肩こり・頭痛・顎関節症」と関連するのですが、「TCH」という状態をご存じでしょうか?

最近、テレビなどでもたまにこの名前を耳にする様になりました。

 

「Tooth Contacting Habit」(歯をくっつける癖) 略してTCHです。

しゃべったり食べたりしていない、何もしていない状態で、上下の歯が接触してしまう癖の事です。

 

このお話をすると、「上下の歯は接触しているのが当たり前じゃないの!?」 と言われる方が多いのですが、実は、唇は閉じていても、上下の歯は離れているのが正しい状態なのです。

子どもの時に、「ちゃんと口を閉じなさい!」 などと言われて、歯を接触させて口を閉じる癖をつけてしまい、そのまま大人になってしまうケースが非常に多いです。

 

歯を食いしばる程ではなく、歯が接触しているだけでも、あごの筋肉は常に緊張状態を強いられます。

あご周辺の血流が悪くなるだけではなく、その緊張は肩まで及び、肩こりを引き起こし、緊張性頭痛へと進行してしまいます。

そして、この状態が続くと顎関節症にもなりやすくなります。

顎関節症は、以前はかみ合わせが原因だといわれていましたが、実はTCHの方が影響が大きいようです。

また、呑気症(どんきしょう)という、空気を呑み込んでしまう病気の原因にもなります。

 

私は、肩こり・頭痛・顎関節症の方には、まずこのお話をすることにしています。

この癖を治すだけで、症状が軽くなる方が多くいらっしゃいます。

 

特に、パソコン、読書、スマホ、ゲームなどの、無意識に集中してしまう状態の時に起こりやすいので、ご注意ください。

 

薬剤師 西田稔生