これまでに、ダイエットに挑戦された事のある方は多いと思います。
しかし、なかなか思うように痩せなかったり、リバウンドしてしまったり…
一体、何故そうなってしまうのでしょうか。
停滞期の理由
生きる為には食べなくてはいけない―
人類を含めた生物達は進化の過程で、飢餓との壮絶な戦いを繰り広げてきました。
そして、何とかして生き延びる為に、合理的なシステムを獲得してきました。
さて、急なダイエットなどで栄養が少ない状態が続くと、たとえ飽食の現代日本であっても、脳は「飢餓状態で生命の危機」だと認識してしまいます。
すると、体内が飢餓モードになり、カロリー消費を抑え、どんどん脂肪を蓄えようとします。
何とかして生き延びようとするシステムが発動してしまう訳ですね。
いわゆる、ダイエットの「停滞期」です。
リバウンドする理由
それでもなんとかダイエットの目標体重を達成し、普通の食事に戻したとします。
自分的にはダイエットに成功して満足していても、脳の飢餓モードはすぐには解除されません。
この状態では、食べた分だけどんどん脂肪として蓄積されてしまいます。
いわゆる、「リバウンド現象」ですね。
この現象を防ぐためには、飢餓モードにならないよう、長期間で徐々に痩せていくように工夫すると良いと思います。
現在の体重によるでしょうが、大体一ヶ月で2~3kgぐらいまででしょうか。
そして、無理なダイエットとリバウンドを繰り返していると、なんと隠れ糖尿病になってしまうかもしれません。
肝臓脂肪と隠れ糖尿病
さて、肝臓の主な働きは、不要な物を分解解毒し必要な物を作るという、「工場」の様な働きですね。
その肝臓のもう一つ重要な働きが、一時的に物質を貯蔵するという、「倉庫」の様な働きです。
食後などに血液中の糖分が多くなると、肝臓は一時的に糖質を貯蔵し、必要に応じて処理してくれています。
しかし、脂肪が溜まり過ぎて、この倉庫がいっぱいになってしまうとどうなるでしょうか。
血液中の過剰な糖分は行き場を失い、長時間高血糖状態が続くことになります。
この状態が、空腹時の血糖値は正常でも食後だけ高血糖になるという、「隠れ糖尿病」の正体なのです。
血糖値は普通空腹時に測りますので、一般的な血液検査では分からないのが怖い所。
肝脂肪を増やさないように、暴飲暴食や急なダイエットは避ける様に心掛けてくださいね。
薬剤師 西田稔生