アディポネクチンと内臓脂肪型肥満症

執筆者:漢方専門薬剤師 西田稔生

巡心堂漢方薬局 西田稔生



薬剤師。漢方療法研究家。株式会社巡心堂代表取締役。

難治性疾患の患者様を多く見るにつけ、

「現代医学だけで治らずに困っている人々の為に、自分に何ができるだろう」

と考え、漢方の道を志しました。中医学+生物化学の独自の漢方治療が巡心堂の特徴です。

これまでにも、医師達が匙を投げた疾患が、巡心堂の漢方薬治療で治癒した症例が沢山ございます。

どんな疾患でも諦めずにご相談ください。


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 皮下脂肪型肥満症と内臓脂肪型肥満症

体脂肪には、皮膚の下に蓄えられる「皮下脂肪」と、内臓の周囲に蓄えられる「内臓脂肪」があります。

飢餓状態でも生きていけるように、エネルギーの貯蔵庫として必要な体脂肪ですが、やはり過剰に存在するのは身体にとって良くありません。

 

比較的女性に多い、腰回りや太ももなどの下半身に脂肪がつくのが「皮下脂肪型肥満症」です。

下の方が膨らんでいるため、洋ナシ型肥満症とも呼ばれます。

 

一方、男性や閉経後の女性に多い、お腹がぽっこり出るタイプの肥満症が「内臓脂肪型肥満症」です。

中央部が膨らんでいるため、りんご型肥満症とも呼ばれます。

メタボ検診などでは、「男性85cm以上・女性90cm以上」の腹囲で、生活習慣病のリスクありと判定されるようです。

 

 

 アディポネクチンと脂肪細胞

近年注目されている善玉生理活性物質が、「アディポネクチン」です。

動脈硬化や糖尿病、癌、肥満などを予防してくれる、素晴らしい物質なのですが、意外な事にこのアディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されています。

 

それでは、脂肪細胞を増やせば良いのかというと、もちろんそうではありません。

 

脂肪細胞は、増えるというか、膨らんで体積が増えるイメージで大きくなります。

一つ一つの脂肪細胞が膨れてしまうと、細胞間の隙間が無くなり血行不良状態となり、逆に悪玉の生理活性物質が分泌されてしまいます。

この傾向は、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が強く、内臓脂肪型肥満症の方は、より動脈硬化や癌などにかかり易いのです

 

しかしご安心ください。

内臓脂肪は皮下脂肪よりも代謝されやすく、健康的な生活習慣に戻れば、比較的楽に落ちてくれる傾向にあります。

 

ちなみに心臓にも脂肪がつくのですが、これはさらに凶悪である代わりに、さらに代謝速度が速く、すぐに落ちてくれますよ。

 

 

漢方専門薬剤師 西田稔生