熱中症にご注意ください
全国で相次ぐ熱中症
大阪府枚方市の遊園地”ひらかたパーク”で、着ぐるみを着てショーイベントの練習をされていた28歳の男性が、熱中症で亡くなられたという痛ましいニュースがありました。
全国各地で熱中症が相次ぎ、救急搬送された方は昨日7/29だけで、少なくとも400人を超えたそうです。
年齢に関係なく注意が必要
以前花火大会を観に行った帰りに、最寄り駅が大混雑となり、蒸し暑い中サウナ状態に。
その時、近くでまだ若い体力のありそうな男性が、熱中症で倒れられたのを覚えています。
幸い、花火関係者の方がすぐ近くにおられましたので、大事には至らず一安心でした。
熱中症は、脱水を起こしやすい高齢の方のリスクが高いのは確かですが、若い方でも十分な注意が必要です。
まず大切なのは水分補給。
しかし、水分だけの補給では、「水中毒」になってしまう危険性があるのです。
恒常性と水中毒
「恒常性=ホメオスタシス」とは?
私たちの体内環境は、常に状況に応じた一定の状態を保つように調整されていて、これを、「恒常性=ホメオスタシス」といいます。
例えば、糖分はエネルギーとして必要なものですが、血中糖分濃度が高すぎると血管が障害されてしまうので、最適な血糖濃度になるように調整されています。
これが恒常性で維持できなくなった状態が、糖尿病なのです。
また、塩分もナトリウムチャネルによる神経信号の伝達に必須だったりと、体にとってとても重要な物質。
他にも、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルも、それぞれ全て大事な働きをしていますので、必要な濃度が保たれる様、常に調整されています。
もしこの恒常性機能がなかったら、私たちは1日たりとも生きていられないことでしょう。
薄まっていく血液と水中毒
汗をかくと、水分だけではなく、ナトリウム(塩分)や糖分などの様々な血中の必要な成分も汗と共に体外に流出してしまいます。
その状態で、水分だけを摂取するとどうなるでしょうか?
まずは、血液が薄まるのを防止する為に、恒常性が働いて水分の吸収率が低下します。
しかし、そのまま無理に飲み続けていると、恒常性で維持できる限界を超え、塩分や糖分濃度が急激に下がってしまう事態に。
そうなると、めまいや吐き気、酷い時は意識障害を起こす、「水中毒」を引き起こしてしまうのです。
経口補水液OS-1とは
水分と電解質補給の為に作られた飲料
日常生活における水分補給ならば、一般的なスポーツドリンクでも十分です。
しかし、体内水分量が少ない高齢者の方や、若い方でも炎天下でスポーツや作業をする場合、胃腸炎などの下痢や嘔吐で急激に水分が失われてしまった場合などは、非常に脱水・熱中症を起こしやすくなってしまいます。
そういう状況では、スポーツドリンクでは水分や電解質(ナトリウムなどの塩分)などの補給が間に合わない事もあるのです。
OS-1とスポーツドリンクの違い
大塚製薬のQ&Aページからの引用です。
経口補水液オーエスワンは、経口補水療法の考え方に基づき、脱水状態において不足している電解質(ナトリウムなどの塩分)を補うために、一般的なスポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、また水と電解質の吸収を速めるために、スポーツドリンクと比べて糖濃度は低い組成となっています。
経口補水液等の電解質組成
成分 | ナトリウム(mEq/L) | カリウム(mEq/L) | クロール(mEq/L) | 炭水化物 (ブドウ糖)(%) |
---|---|---|---|---|
オーエスワン・ オーエスワンゼリー | 50 | 20 | 50 | 2.5(1.8) |
スポーツドリンク* | 9〜23 | 3〜5 | 5〜18 | 6〜10 |
WHO-経口補水液 | 75 | 20 | 65 | 1.35 |
米国小児学会 経口補水療法指針(維持液) | 40〜60 | 20 | 2.0〜2.5 |
※大塚製薬OS-1 Q&Aより引用
OS-1はやや味が薄く、スポーツドリンクの方が美味しく感じられるかもしれません。
しかし、それは糖分を控えめにする事で水分と電解質の吸収を早める為なんですね。
前述した様な熱中症を起こしやすい状況では、OS-1の水分+電解質補給の方が、スポーツドリンクよりも信頼できる事でしょう。
まとめ
まず、熱中症予防の為には、純粋な水ではなく塩分や糖分が適度に入っている飲料を摂るように心掛けてください。
日常生活における水分補給ならばスポーツドリンクでもOKですが、熱中症のリスクが高い状況では、経口補水液(OS-1)をおすすめします。
残念ながら当店ではOS-1を含めたドリンク類は取り扱っておりませんので、24本セットで安く売っている楽天市場のOS-1のページを見つけましたので、ご紹介しておきますね。
繰り返しになりますが、「まだ若いから」とか、「特に持病も無いから大丈夫」などと自分を過信せず、十分に熱中症に警戒するようになさってください。
薬剤師 西田稔生
※OS-1画像はオーツカ・プラスワンより