食後の眠気について
正常な眠気なら大丈夫
美味しいご飯の後で、ウトウトと居眠り・・・
食後の眠気は健康な人でも有るものですが、毎回ひどい眠気に襲われる場合、その裏に動脈硬化が隠れている可能性があります。
食事をすると、消化のために胃腸に血液が集まりますね。
すると、脳に回るべき血液が不足して眠気を感じます。
血圧調節機関「頸動脈洞」
大事な脳が酸素不足に陥っては大変なので、ここで活躍するのが血圧センサー「頚動脈洞(けいどうみゃくどう)」です。
首の側面にある頚動脈洞は、常に血圧の変化を感知し、血圧が上がれば下がるように、血圧が下がれば上がるように、瞬間的に自律神経を介して調整してくれています。
頸動脈硬化症の可能性
我慢できない眠気には要注意
さて、問題は「頚動脈硬化」で血管壁が硬くなっている人の場合。
食後に頭部の血流量が減って血圧が下がっても、頚動脈洞が圧力の変化を感知できず、ストンと失神したように眠ってしまいます。
格闘技の締め技にも
余談ですが、この血圧反射システムは柔道などの格闘技の絞め技にも応用されています。
腕で首をロックして頚動脈洞の圧迫を続けることで、「落ちる」と呼ばれる失神状態にする技で、「チョークスリーパー」と呼ばれています。
まとめ
食後に異常な眠気を感じる方は、もしかしたら頚動脈硬化かもしれません。
血管の詰まり(アテローム性動脈硬化症)が、血管の太い頸動脈から血管の細い脳などに移動してしまうと一大事です。
おかしいな?と思ったら、早めにご相談においでください。
薬剤師 西田稔生