起立性調節障害
起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)という言葉をご存じでしょうか?
Orthostatic Dysregulation(OD)とも呼ばれます。
あまり、一般には認知されていない病態だと思います。
思春期のお子さんに多く、
・朝起きられない
・起きても立ち上がるとフラフラし、ひどいと失神してしまう
・頭痛がする
・動悸がする
・逆に、夜は元気
などの特徴があります。
「怠けているだけじゃないか?」などと思われてしまう事が多く、密かに悩んでいるお子さんも多いと思います。
多くは、成長期の自律神経のアンバランスが原因です。
誰でも立ち上がると、重力の関係で血液は足の方に向かおうとしますね。
それを防ぐ為に、足の血管を収縮させて、血液を体上部に運ぶのが自律神経の働きです。
この自律神経の働きが弱いと、頭部に血液が行かずに脳貧血状態になり、上記の様々な症状が出てきます。
壁立ち
自律神経の訓練方法として、「壁立ち」があります。
方法は簡単で、足を10~20cmほど壁から離し、立って壁にもたれるだけです。
TVを見ながらなどでも構いません。
一見簡単そうですが、起立性調節障害の方は、数十秒~数分でめまいを起こしてしまいます。
無理のない範囲で、これを毎日続けていく事で、徐々に自律神経が鍛えられ、長く立っていられるようになってきます。
そうすると、朝も起きられるようになります。
巡心堂では、この壁立ちと漢方薬を合わせて起立性調節障害の治療を行っています。
この場合の漢方薬は、かなり即効性が期待できます。
起立性調節障害でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
薬剤師 西田稔生