漢方薬の剤型分類「湯・散・丸」について

丸剤桂皮茯苓加ヨクイニン丸

漢方薬の三分類 湯(とう)・散(さん)・丸(がん)

名称で三種類に分類すると

良く使われている漢方薬の名前をものすごく大雑把に分類すると、例外もありますが三種類に分かれます。

例えば、

  • 「~湯(とう)」:葛根湯 半夏厚朴湯 半夏瀉心湯 大建中湯 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 など
  • 「~散(さん)」:当帰芍薬散 加味逍遙散 銀翹散 抑肝散 生脈散 など
  • 「~丸(がん)」:桂枝茯苓丸 六味地黄丸 八味地黄丸 牛車腎気丸 乾姜人参半夏丸 など

です。

漢方処方名の意味

これら名前にはちゃんとそれぞれ意味があり、

  • 「~湯」グループは、生薬を煎じて服用
  • 「~散」は生薬を粉末にして服用
  • 「~丸」は、粉末を丸剤にして服用

するのが、それぞれの漢方薬に適した本来の服用方法なのです。

できれば、それぞれの名称に合った剤型をお選びください。

ちなみに、丸剤は結構小さい丸っこい球状になっています。

一回の服用量が10丸とか20丸とかになる事が多く、なかなか数えて飲むのは骨が折れます。

その為、一度に10丸ずつすくえる変わった形のスプーンが付いている事も。

うまくすくえると、ちょっと楽しいですよ。

湯・散・丸以外の剤型は?

病院で良く使われているエキス剤

病院さんなどでは、「エキス剤」をよくもらわれると思います。

エキス剤というのは、原料生薬を煎じて、出来た液体を固めて顆粒状にしたもの。

現代になって作られた、湯・散・丸とは違う、新しい剤型なのです。

エキス剤を使ったその他の剤型も

最近では、エキス剤をゼリー状にして、嚥下困難症の患者様でも飲み込み易くしたゼリー剤も出てきています。

液体にする事で吸収を良くした、液剤もありますね。

今回ご紹介したのは剤型の基本的な例ですので、ご参考程度とお考えください。

例えば、エキス剤と散剤を組み合わせた漢方薬等も良く使われています。

薬剤師 西田稔生