自律神経とコリン性ジンマシン

執筆者:漢方専門薬剤師 西田稔生

巡心堂漢方薬局 西田稔生



薬剤師。漢方療法研究家。株式会社巡心堂代表取締役。

難治性疾患の患者様を多く見るにつけ、

「現代医学だけで治らずに困っている人々の為に、自分に何ができるだろう」

と考え、漢方の道を志しました。中医学+生物化学の独自の漢方治療が巡心堂の特徴です。

これまでにも、医師達が匙を投げた疾患が、巡心堂の漢方薬治療で治癒した症例が沢山ございます。

どんな疾患でも諦めずにご相談ください。


自転車

原因不明の痒み

転びそうになったら痒くなった??

先日の、ある患者様のお話です。

「自転車で急に曲がろうとしたら、縁石に乗り上げて車道の方に転びそうになりました。

そしたらそのすぐ後で、体中が痒くなりました

との、不思議な病状です。

痒みは、その後数分で消失したそうですが、どうも気になるし、また痒みが出たら嫌だから何とかして欲しいとのご相談でした。

この痒みは、一体何なのでしょう?

コリン性ジンマシンとは

自律神経とコリン性ジンマシン

これはおそらく、「コリン性蕁麻疹」の軽い症状だと思います。

「手に汗握る」とか、「ヒヤッとした」とも言うように、緊張すると人間は汗をかくもの。

交感神経と発汗

「コリン」とは、神経伝達物質の「アセチルコリン」の事です。

コリン性蕁麻疹とは、緊張を司る「交感神経」が興奮して発汗し、それが原因で痒みやジンマシンが出た状態です。

温まったりお酒を飲んで出る場合もあるようです。

交感神経と副交感神経

アクセルの役割の交感神経と、ブレーキの役割の副交感神経。

これらは、ずっと昔から人間に備わっている、基本的な神経系です。

ちなみに手の平の汗は、私たち人間の祖先達が木の枝や武器を落とさない様に、「滑り止め」の為にかいていたなごりの様です。

しかし、それが今回の症例の様に、悪さをしてしまう事もあるのです。

まとめ

この方は、転びそうになった事で瞬間的に交感神経が緊張し、それが原因で少量発汗して痒みが出たのでしょう。

誰にでも起こりうる症状ですし、慢性化している訳でもないので、特に治療の必要は無さそうです。

この様に自律神経は、一見関係なさそうな症状とも関係している事がありますので、よく患者様のお話を聞いて推理していく事が大切です。

漢方専門薬剤師 西田稔生